インサート成形品を設計する上で、注意して頂きたいこと
例えばプレス加工した金属製端子をインサート成形する場合、設計者の方々は樹脂から外に出た部分のみ押さえれば問題ないと考えがちです。
しかし、たとえば長くて細いインサート部品を想像してみてください。
この場合、両端を押さえているだけだと、そもそも位置が定まらない上、成形により樹脂が勢いよく流れてくるとインサート部品の真ん中が曲がってしまうことが想像できると思います。
樹脂射出成形は何tという圧力がかかるので、厚みがあり強度も高いと考えられるインサート部品であっても、成形圧に耐えられず位置がずれてしまい、樹脂の表面にインサート部品が露出する可能性もあります。
以上のことから、インサート部品は必ず金型によって押さえなければならない、ということがお分かり頂けたと思います。
しかし、インサート部品を金型で押さえるということは、金型を押さえた部分はインサート部品の表面が見えてしまうことです。
下記の写真のように金型で押さえた部分は穴が空いてしまうことは、設計時に想定しておく必要があります。
どの程度、金型によるインサート品を金型で押さえる必要があるかは、インサート部品の強度・大きさにもよりますが、いずれにせよ設計段階においてインサート部品を押さえることは織り込んでおく必要がありますので、参考にしてください。